部品が無い・・・、どこぞの独裁者がわが身を護る為にとんでもない行動にでている。しかし人間とは時が経てば同じような過ちを繰り返すものだと。今ごろ「ゼロコロナ政策」での都市封鎖などでもアパレル業界も原反が入ってこないなどの影響がでている。

我々、自動車「鈑金・塗装工場」にも影響が出ている、特に輸入車の部品が入ってこない。（4月前号）では「ベンツ」のテールレンズ破損で本国にも無い？？？応急的にレンズを移植し、仮納車したことを紹介した。

　　　

今回は、国産の「プリウス・・・」左ドアからその後部にかけての損傷・・・。ドアの交換とリアータイヤハウス（クォーター）の修理。

このくらいの損傷になると、ドアの交換とリアータイヤハウス（クォーター）は新品パネルと交換するのが修理期間が早いと判断される。早速メーカーに発注を発注すると、ドアはあるがリアークォーターの新品パネルが無い・・・（なぬ？）納期は未定？「おいおい」って感じでおおよその納期を確認すると「一か月以上」と・・・。輸入車ならともかく・・・、国産車、ましてや国内でも一番良く売れている車「プリウス」・・・まさかの出来事・・・。

う～ん、ここまでへしゃげていたら、鈑金は難しいど。。。。、今だれが手空いてるん？？「お！」

たまたま、自分の工具の手入れをしていた「大水（鈑金スタッフ）」に相談した・・・。

「あ～、あのプリウスですね。ドアがあったなら、その後ろは叩きますよ！そんな「一ケ月」もお客様も待ってられないでしょ！」っと。でも結構へしゃげてるで～。

なん言うてんすか！私らは「鈑金士」ですよ、その為に自分の「刀（工具）」を常に手入れして磨き上げてるんですよ！明日からやりますわ！（なんと頼もしい・・・）

そして翌日・・・（早朝から、工場でカンカン・コンコンの音が響いている）。

おお！粗だしが終わっている・・・、凄い、凄い。

あのね、何回も言うてます！「交換なんて一年生でもできます、部品がないなら叩いて治す、それも時間内に・・・、私らは鈑金士なんです、『交換士』でありません、このハンマーリングが基本中の基本ですよ！」（凄い・・・）

　　　

　　　

そして、この鉄板をハンマーで限りなく元の形にするんです！こんなんチョイチョイですわ！邪魔、邪魔！時間との勝負なんですから・・。（ハイ！すいません）

こうやって、パテを塗って手のひらで「歪」を確認しながら、研いでいく・・・。

ほぼ粗、鉄板で形を作っているので、パテの厚みは「0.5ｍｍ程度」が大水流鈑金だ、「陶芸でも粘土細工でもなく『鈑金』なんですから・・・」（大水鈑金スタッフ：談）なるほど・・・。

新品ドアパネルを仮付けして「隙間」を調整しながら・・・。（それよりも気になるのが大水氏のヘアースタイル・・・・、なんか腹立つ・・・）

そして、仕上げ（ポリパテ）でボディーラインもバッチリ！「出来た！後は塗装屋さんの仕事ですわ！」

塗装ブースに入れて、下地塗装（サフェーサー）を行う・・・。

お～！ええ感じや！！！と塗装屋さんからも・・・。じゃ、ボディー本塗しよ！

塗りあがった、ドアと合わせても、隙間も完璧！よっしゃ合格。

　　　

「あっぱれ！」部品を待ってたら「一か月」かかるが、鈑金では3日で仕上がった、お客様も「大満足！」。また、その直後に、「お～い、大水～！今度はベンツのバンパーが、またまた国内に在庫なし、本国にも無いらしい鈑金で頼むわ！」（え～！）

「ん？これ？こんなん30分くらいで出来ますよ、新品バンパーより綺麗にしたりますわ！」

　　　

写真では、分かり難いが、少し凹んでいるのでバンパーが浮いてしまっている・・・。（大丈夫？）

　　　

ほい！この通り、仕上げ塗装が終わり組み付けするだけ・・・。（ね！30分でしょ）

　　　

自分の作品に暫し「ご満悦」の大水鈑金スタッフ・・・。「もっかい、言いますよ交換するのは簡単な話・・・、私らは『鈑金士』なんですからハンマーで鉄板を叩き、樹脂部品は熱を加えて整形するのが本文や、それが出来る者が、交換を選択するのはどちらがお客様にとりお安く出来るかの問題、基本は『鈑金』です！あとは塗装屋さんの仕上げにかかってるんよ！」（なるほど・・・）「もっかい『あっぱれ！』を送ります！」

編集後記＞：若干「25歳」の大水良太氏は、当社で一番の若手技術者でもあります。18歳からこの業界に入っているので今年で7年目の中堅技術者であり、今年は「車体整備士」の資格にチャレンジしている、秋口までの毎週「日曜日」9時～17時までビッチリの講習・・。遊びたい年頃でもあるこの時期、将来を見据えて国家資格にチャレンジし、大水鈑金技師が誕生するのが楽しみです。

一方では、山口県のとある町で給付金「4.630万円」を誤って「24歳」の個人口座に振り込まれ、返却に応じないので「逮捕」された報道がありますが、丁度同じ年ごろでもある当社の大水鈑金スタッフ・・・、マスコミは一斉にこの若者を「犯罪者扱い」で顔写真まで出している。「最近の若者は！」という声も聞こえてくるが・・、いや何か違うのでは？その誤って振り込んだ町の職員の責任はどうなるのですかね？4.630円ではないですよ！「4.630万円」ですよ。逮捕され、起訴されても「詐欺罪」初犯なら執行猶予が付いて、放免。少しずつでも返します？？？「1.000円ずつ？」かもしれませんね。「最近の若者は！」とは言えないですね！最近のおっさん連中の方がなんかおかしくなってませんか？中国武漢ウィルス対応でも、一番影響を受けているのは、若者達ではないですか？？？おっさん連中が自分達が住みやすい世の中にするよりも、若い方々が住みやすい世の中にしてあげなければならないのでは？と思うのは私だけではないようにも思います。「頑張れ！若手技術者！」（取材・文責：辰巳寛一）