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ビーテックニュース

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先進安全自動車の修理・・・。K・(勘)K・(経験)・D(度胸)の時代は終わった!

2018/11/19

最近の新型車は、至る所に「センサー」が張り巡らせれており、接触事故が大幅に減少し効果が表れはじめている。その代表的な装置が「衝突軽減安全装置」である。車両のフロント部分に単眼カメラやステレオカメラが装着されているものが多い。

しかし、衝突を軽減する装置なので事故が100%無くなるというものではない。止まり切れなかったり、また相手から当たってくる場合もある。そうした車を修理する場合に必要になってくるのが、確実なセンサーを取り付け正確に作動するようにしなければならない時代になっている。この作業を「エーミング調整」という。分かりやすく言えば今までもこのエーミング調整は行われている。例えば毎回の車検時に計測される、ヘッドライトの「光軸調整」である。ヘッドライトの向きが規定通りに照射されているか?というもの。

同じような作業でミリ波レーダーを照射し車間を瞬時に計測し衝突前に自動でブレーキがかかる仕組みであるが、修理をしたあとでこのミリ波レーダーが真っすぐに照射しているかを修理完成後に計測しなければ、「イザ!」というときに自動ブレーキが作動しない、または一番怖いのが「数ミリ」のずれで5m先の車に照射せず、対向車線の車や、左に停車中の車両に照射して走行中にいきなり自動ブレーキが作動してしまう車になってしまうことである。

先進安全装置が、修理をすることで「先進危険装置」になってしまうことになる。そこで作業に従事する「車体整備士」所謂「鈑金技術者」を対象に、大阪府自動車車体整備協同組合(大車協)の主催で「車体整備士」対象で講習会が行われている。

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今回のモデル車両は「現行モデルのプリウス50」である。この実車でエーミング調整の作業内容や作業手順を細かく説明して頂いた。「ビジレンビーテック」からは、迫田工場長が参加。

IMG_0008協会員のBP工場が集まり、真剣に聞き入っており、最新の車両の構造について説明を受けた。「これからは、部品を交換して納車とはいかない、安全装置が正常に取付されているかのチェックが重要になる!」との説明を受ける。

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3m先に反射板(ターゲット)を置き、診断機をつないで強制照射させて上下・左右の角度が正確であるかを計測する。

IMG_0018計測するフロアーが水平かを確認する為に、おもりを吊るす。そのあとでの「座学」では、このエーミング調整の重要性と必要性を徹底的に教え込まれ、講習修了となり「日本自動車車体整備協同組合連合会」が発行する「修了証」が一人、一人に発行される。車体整備士からこの講習会の終了証を授与された者が、安心して先進安全装置の装着車両を修理する知識と技術を習得したことになる。因みにビーテックの鈑金技術者はこの終了証を授与されている。

書類と認証参加した、ビーテック東大阪の迫田工場長は「これからは、フロントバンパー、グリルなどの交換は修理後に必ずエーミング調整が必要になるので、このような講習会に率先して参加し知識を得なければ、完全復元できない、自社でのエーミング調整をするにはかなりのスペースが必要であり、各メーカー毎にターゲットもバラバラ。機材関係を全て揃えるには約200万円必要とのことだと、それに加えて、前方に6m後方に3m、更には両サイドに5mずつ必要だそうです、そんな場所何処にあるのでしょう・・・」とのこと。重要性と必要性は理解出来たが自社で行うには限界がある。修理後に各メーカー系ディーラーさんにエーミング調整を依頼する形に成らざるを得ないのが現状。これからの修理は「K・K・D」勘(K)・経験(K)・度胸(D)での修理は出来ない。

<編集後記>:今回、実車(プリウス50)だけでの実技講習でありましたが、これからの新車は殆どがこの「先進安全装置」が装着された車が次々開発され市場に流れて来ることになります。その車を修理する為にアフターサービスの修理が追い付いていないのが現状なのかと心配になるのは我々だけでしょうか?一日も早くこのエーミング調整を自社で対応出来るように調整していかなければならないと実感できました。しかし、このような社会安全に必不可欠な設備投資が必要な場合は、業界団体を通じて「補助金」などが関係省庁からおりてくるような働きかけは行っているのか、全て業者負担には限界があります。

また、今回の実車をご用意させて頂きましたのは、当グループの「ビジネスレンタリース㈱」。リアードアの右端に黄色い〇のシールに「LBR」のステッカーがよく目立ってます。

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レンタカーのご依頼を頂きました、「大車協」様にはこの場をお借りしましてお礼申し上げます「ありがとうございました」。これからも業界発展の為、ご尽力を期待申し上げております。(撮影:迫田工場長)(編集・文責:辰巳寛一)