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環境にやさしい「水性塗料」門真工場から導入!
2017/02/20
鈑金塗装工場の永遠のテーマになるであろう「水性塗料」。二年前からビーテックとしても導入を検討していた。メーカーとも昨年(平成28年)約一年間は毎月仕事が終わってから勉強会を行ってきた。昨年年末に一連の「勉強会・検討会」が行われて今年に入ってビーテックとして「門真工場」から導入をすることに決議され、2月初旬に「フルキット」が導入された。
現在の自動車メーカーからの新車は殆どが「水性塗料」が使われているようになってきた。しかし、補修用塗料についてはまだ90%以上が「有機溶剤(シンナー系)」が使われている。塗料メーカーも「補修用塗料」での水性の研究は各社、社運をかけて開発されている。ビーテックとしても昨年から導入に向けて検討を重ねてきたがまだ実用性に欠ける、材料コストも上がることから導入が見送られてきた。
しかし、ビーテックの経営者は「大切な大切な従業員の体に影響のあるシンナー系塗料は好ましくない」との判断が示されて導入が決まった。塗料メーカーは「日本ペイント株式会社」様の「WD」に決定。
本日(20日)門真工場に取材に行ったところ、さっそくグループ会社である「ビジネスレンタリース」のレンタカーの塗装を「水性塗料」でチャレンジしていた。
調色をしていたのは、門真工場の「辻 1級塗装士」コンピューター調色器でモニターを見ながらの調色となる。
調合できた塗料をテスト吹きして「現車」と照らし合わせる、塗料を吹いたあと乾燥ドライヤーで乾かす。右手に塗装ガン、左手にはドライヤー。
最終クリアー塗装を施し乾燥させて現車にあわせる、2回~3回くらいでバッチリ合わせてしまう。これぞ職人技!
水性塗料でも、色合わせは以外と決まる、細かい特性をつかめばもっと早く色合わせが出来るというのは「辻1級塗装士」。
その後で、このオリジナル色をコンピューターに入力すると次回同じ車が入庫してきても、データーがしっかりと記録されており独自のデーター表ができる。「カラボ(調色診断機)」
オリジナル色を記憶させて、車番と車種を入力しておけば、データーにない色がまた再現出来る優れものである。
シルバーにも色々なデーターがあるが、車種限定色をコンピューターが記憶してくれるので今後益々データーが蓄積されてくるのでビーテックの財産となる。
ビーテック門真工場には、二人の「1級塗装士」が在籍している。「辻 塗装技師と中村 塗装技師」である。今回の検討会議で口笛を切ったのはこの二人の塗装技師」門真工場でも2人の息はピッタリ!
「手前が辻塗装技師、奥が中村塗装技師」どちらも1級塗装技能士である。
有機溶剤(シンナー系)で、いままで20年前後やってきたので戸惑いはあるが、調色をするときに一番シンナーを吸っている感じがあった、当然「防毒マスク」は必須なので結構面倒なものがあった。
しかし、水性塗料を調色(混ぜ合わせ)をしている時は、マスクは全くいらない、「絵具」のような臭いしかしない、それだけでも、身体に優しいことが実感できる。
<最後に二人の意気込みを聞いた。>
長い間溶剤(シンナー系)の塗料の特性を追求してきて20年前後、未だに熟知したとは言えない状態で、今回水性塗料を使ってみて全く特性が違う。いままでの概念を完全に捨てて新しいものにチャレンジする怖さは当然ある、しかしその反面「楽しみ」でもある。今後、環境のことを考えて5年先、10年先には全てが水性塗料に変わるであろうし、水性塗料を扱ってる工場が世の中に受け入れられるのは間違いないのであれば、今から携わっておかなければ間に合わない。試行錯誤の繰り返しにはなると思うが、メーカーでもある「日本ペイント」様が全面的にバックアップして頂いているので安心でもある。
新しいことにチャレンジする。「向上」することは我々技術者にとっては永遠の課題ではないのか。その向上心を無くした時点で技術者とは言えない単に「職人」との位置づけになってしまう。今は「レンタカー」の修理車でその特性を勉強しながら、近々お客様の車にもチャレンジして行きたい。
もう少しまって下さい、そんなに長くはかからないと思います、お客様のお車に環境に優しい「水性塗料」で完璧に仕上がるまで。その情報を東大阪工場とも共有し、一日も早く東大阪工場にもこの水性塗料が導入される日が来るように全力で取り組みます。また、今は定期的に「日本ペイント」様の技術アドバイザーの方にも門真工場に来て頂きご指導を頂いておりますが、そのうちには私達が実践で感じたことを、メーカー「日本ペイント」様に情報提供できる日がくると思います!そのことで、日本ペイント様の水性塗料が全国に拡がることを期待しております。(辻・中村:談)
<編集後記>:こんなに力強いコメントを聞けるとは正直驚きました。もっと水性塗料に対する批判や問題点などが出てくるのかと思っておりましたが、そんなネガティブなコメントは一切なく導入した以上は一日も早く、水性塗料を使いこなすことに意欲を示していた。また、早くお客様の車に水性塗料を使えるようになりたい、と焦る気持ちも強く感じた。門真工場から始まった「水性塗料」、東大阪工場に導入される日も近いのかも。
(取材・撮影・編集・文責:辰巳寛一)
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